田谷の洞窟(正式名称:田谷山瑜伽洞 たやさんゆがどう)は、
全長約 570 m・三層構造の複雑に入り組んだ、巨大な人工洞窟です。
その歴史は、鎌倉時代からあると伝えられている、横浜市登録地域史跡です。
一旦この地下空間に足を踏み入れると、幾つもの不思議に出会います。
「どうやって造ったんだろう?」
「どうやって上の階とぶつからずに掘ったのだろう?」
「なんでこの場所に掘ったんだろう?」
などなど、
未だに解っていない事がたくさんあります…
私達は、2015年より、田谷の洞窟を管理している真言宗定泉寺の許可を得て、
様々な分野の大学・専門家のご協力を得ながら、
この洞窟の基礎調査とデジタルデータ保存活動を行っています。
Movies
田谷の洞窟の紹介動画
動画制作協力:株式会社 タイトー
(無断転載禁止)
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横浜市栄区「真言宗大覚寺派 定泉寺」境内にある田谷山瑜伽洞「田谷の洞窟」は、鎌倉時代より存在すると言われる人工の横穴洞窟です。(築造年代は諸説あり正式には不明です。)全長約570m三層構造を成す、真言密教の修業の場として、“歴史の中の静寂な時間の流れ”を強く印象付ける横浜市登録地域史跡の一つです。
内部は、鶴岡二十五坊の供僧がノミを片手にお経を唱えながら掘り進めたノミ跡が残り、大小さまざまなドーム状空間や壁面には江戸中期以降に彫られたと考察できる美しい浮彫のレリーフ250余点を配しています。「田谷の洞窟」の名で親しまれていますが、我が国では類を見ない巨大な素掘りの人工地下空間です。
Location
所在地 田谷の洞窟ってどこにあるの?
田谷の洞窟所在地 :
〒244-0844 横浜 市栄区田谷町1501 定泉寺
拝観時間 :
午前9時 より 午後4時
お問合せ :
定泉寺受付 045-851-2392
① JR大船駅 利用
[JR大船駅 西口(観音口)]
↓
↓ 徒歩(約3分)
↓
[大船駅西口バスターミナル]
↓
↓ 神奈中バス
↓ 船27 :住友電工循環左回り
↓ または
↓ 戸72 :戸塚バスセンター行き
↓
↓ (約11分)
↓
[洞窟前] 下車
↓
↓ 徒歩(約1分)
↓
[定泉寺 田谷の洞窟] 着
② JR戸塚駅 利用
[JR戸塚駅(西口)]
↓
↓ 徒歩(約1分)
↓
[戸塚バスセンター]
↓
↓ 神奈中バス
↓ 戸72 :大船駅西口行き
↓
↓ (約18分)
↓
[洞窟前] 下車
↓
↓ 徒歩(約1分)
↓
[定泉寺 田谷の洞窟] 着
【マイカー利用の場合】
定泉寺の前の道の反対側に民間の有料駐車場があります。
お車でお越しの場合は、この有料駐車場に駐車してください。
駐車料は、定泉寺本堂の脇にある、田谷の洞窟「受付」でお支払いください。
Outline of TAYA Cave
田谷の洞窟の概要 田谷の洞窟の特徴とは?
Fig2. 直線的な矩形
(1)全長(平面測量図Cad上測定)
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拝観経路: 約245 m
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立入禁止区域: 約325 m
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総延長: 約570 m
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測量成果から、階段や斜路は平面投影距離で計測。Cad上で計測。
(2)洞窟の構造
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平面形状が複雑。
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断面構成が複雑(3層構造が複雑に入り組んでいる)。
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測量・施工技術が高度と言える。
(3)土質・地盤
[1] 長沼層:
三浦半島北端、横浜市栄区長沼町の柏尾(かしお)川沿いを模式地とする中部更新統相模(さがみ)層群最下部の地層。
(出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ))
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湿潤状態を維持する事が必要。(埼玉大学 サンプル実験結果)
(4)左官仕上の仮説
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きれいな直線的な矩形断面の坑道を持つ(Fig2)。掘削の施工技術の視点から、洞窟坑道を直掘りして整形された同じ矩形断面を長尺で掘り続けることは難しい。左官をしてきれいに矩形断面を仕上げている可能性がある。
(トンネル工事でも荒掘りの上、内部整形を行う。)
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レリーフ部に貝殻(異物)が見られない。
(ここの地層には、貝の化石が多く含まれる(Fig3)。左官してキャンバスを造って、レリーフを彫ったのではないかと推考できる。)
(5)洞内環境
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年間を通して温湿度がほぼ一定。(夏涼しく冬暖かい。16℃から18℃で推移しているが、近年は上昇傾向にある。)
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至る所から水がしみだしている。(地下水)
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地盤が比較的軟弱質だが、水を含んだ圧密状態だと固い。(長沼層の特徴)
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ゲリラ豪雨等降水量が多くなると内部天井に剥落現象が発生する。(既に水みちが出来ている可能性有)
(6)宗教美術
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宗教美術の専門家による造形と推考できる(Fig4)。
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レリーフは、技術力の高い木彫り技術の仕事と考察できる。
(木造建築の欄間透かし彫りの技術に近いと考察できる。)
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一部のレリーフの造形は江戸中期以降のもの。
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四国八十八ヶ所霊場のドームの壁面に「文久二年」の表記有。
(文久二年=1862年 生麦事件、坂本龍馬脱藩)
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全てのレリーフの詳細な記録・銘文調査が必要。
(7)機能
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真言密教の修行窟。(現在も修行のための空間である。)
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日本3大霊場の写し霊場(西国・秩父・坂東の100観音像)
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四国お遍路の88観音像の写し霊場
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「高野山奥の院」の写し廟(真言宗高野山の弘法大師のお墓)
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この洞窟を歩くことで日本全国の宗教施設を巡った事になる。
Map of TAYA Cave
田谷の洞窟の見取り図
Cultural Property Registration
文化財登録状況 田谷の洞窟の文化財レベルって?
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文化財の種類: 横浜市登録 地域史跡
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種別: 史跡
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登録年月日: 平成2年11月1日
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全長: 540 m(測量時のCad上では全長約570m)
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地層: 長沼層
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洞内ドーム状部分(広場状)11室
History of TAYA Cave
歴史 田谷の洞窟の歴史って?
田谷の洞窟は鎌倉時代からあると言われています。一説では、源頼朝の右腕の武将「和田義盛」の三男の「朝夷奈三郎義秀」に由来するとも言われています。この説が正しいとすると、約800年前から存在すると言う事になります。但し、現在の形であったとは言えません。もっとも古い部分がどこなのかは解明されていません。築造年代は諸説あり正式には不明です。
また、洞内に彫られている浮彫レリーフの年代は、もっと新しいと考えられています。四国八十八霊場の部屋にあるレリーフの脇に「文久二年」と言う銘文が彫られています。文久二年は西暦1862年ですので約150年ほど前の物と考えられます。
Art Reliefs
レリーフ 田谷の洞窟の浮彫レリーフって?
About 250 reliefs in this cave
洞内には、約250点の美しい浮彫レリーフ
密教の世界
A trip to the three major sacred places in Japan
日本百観音巡礼の旅
秩父三十四観音霊場
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西国三十三観音霊場
↓
坂東三十三観音霊場
地下の写し霊場
A trip to the 88 sacred places of Shikoku-Area
四国八十八ヶ所巡礼の旅
お遍路の旅
A trip to the Koya-san OKU NO IN inner temple
高野山奥の院への旅
弘法大師への旅
Find something in your mind throughout TAYA Cave 250m...then...
何かを発見する250m・・・そして外へ・・・
羅漢に会う